日本のこころとかたち
#181
柳 宗悦
岩波文庫
「馬乗提灯」「竹飯櫃」「長火鉢」「簑」。ひと昔前まで日本人の暮らしに欠かせなかった生活道具。その美しさに魅了された著者は20年近い歳月をかけて「手の国」日本を訪ね歩いた。姿を消しつつある郷土品の数々が輝きを放っていた頃の日本が垣間見える民藝案内書。
#180
コロナ・ブックス
平凡社
雨、風、雷、波、虫の音などの自然の音から日常生活の音、節分や涅槃会、祇園祭などの年中行事まで、日本の伝統と繊細な感性が生みだした音の表現を、日本画、浮世絵などに探る。
#179
コロナ・ブックス
平凡社
松竹梅、亀甲つなぎ、青海波、千鳥、流水……日本人の生活に身近な全110種類の文様を紹介。工芸・染織から家紋まで、その成り立ちや変遷、意味を解説する。
#178
白洲 正子
新潮文庫
扇、染織、陶器、木工から、刺青、現代彫刻まで、手仕事のすばらしさを静かに守り抜いているさまざまな日本のたくみを訪ねる。図版多数収録。
#177
田中 敦子
講談社
「切子」「扇子」「指物」「結桶」など。生活に彩りを与える「みごとなもの」の数々と、江戸からの伝統を受け継ぐ職人たちのわざの世界を紹介する。
#176
志村 ふくみ
ちくま文庫
織物をはじめた頃から、染めて織った布の端裂を貼りためておいた著者の『小裂帖』。「長らく書き溜めた日記を公表してしまうような逡巡」を覚えながら選んだ小裂と、色、糸、織、仕事への思いを文章で綴る。日本の色と織の見本帳とも言える一冊。
#175
志村 ふくみ
筑摩書房
ちよう、はたり。記憶の底から、機の音が聞こえる。染織家にして人間国宝であり、随筆家としても定評のある著者の第4エッセイ集。1990年以降に書かれた文章に書き下ろしを加える。口絵には染織作品をカラーで掲載。
#149
ロラン バルト
ちくま学芸文庫
「これはエクリチュールについての本である。日本を使って、わたしが関心を抱くエクリチュールの問題について書いた」遠いガラバーニュの国のさまざまに感嘆しつつも、それらの常識を「零度」に解体。象徴、関係、認識のためのテキストとして読み解く。
#120
白洲 正子
求龍堂
白洲正子が好きで集めてきたもの、集まってきたものを写真家・藤森武が撮った一冊。白隠書による「日々」などを収録。
#118
白洲 正子
新潮社
色即是空を体現した、ひとつの美学。古事記から源氏、西行、南方熊楠、世阿弥。穏やかな自然に恵まれた日本には、両性具有という思想を育む豊かさがあった。文学・美術、風習など、多彩な素材を行き来しつつ、西洋とは本質的に異なるやまと文化の美学を軽やかに論じる。
#117
白洲 正子
新潮社
「ねがはくは花のしたにて春死なむそのきさらぎの望月の頃」 23歳で出家し、73歳で寂すまで平安末期の動乱の世を生きた西行。その漂泊の足跡をゆかりの風物風土の中で味わうことによって、謎に満ち、伝説化された西行の人間的真実に迫る。
#116
青山 二郎
中央公論新社
小林秀雄、中原中也らとの交友は世に「青山学院」と言われ、強烈な個性で影響を与えつづけた異才、青山二郎。自らの「眼」に美の発見を賭した独自の美学の精粋。
#070
山下 裕二
平凡社
雪舟などの大スターから、無名でも天才的な画家まで、目からウロコの水墨画の見方を発見。巻末に雪村周継「呂洞賓図」を付す。
#069
辻 惟雄
ちくま学芸文庫
近世絵画史において長く傍系とされてきた岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳ら表現主義の画家たち。彼らを「奇想」という言葉で定義して、異端ではなく主流の中での前衛と再評価する。若冲の大規模な再評価の火付け役ともなった名著。
more info: 失われた本を求めて
#068
赤瀬川 原平, 山下 裕二
ちくま文庫
国会議事堂、東大総合研究博物館、東京国立博物館、そして鎌倉、長崎、奈良へ。日本美術応援団の二人が、目からウロコが落ちる、オトナのための社会科見学にご案内。文庫版は増上寺・五百羅漢展を新収録。
#067
赤瀬川 原平, 山下 裕二
ちくま文庫
雪舟の描く絵はちょっとヘン。有名な「天橋立図」も凄いんだがどこかヘン。光琳にはなくて、宗達にはある、“乱暴力”とは? 雪舟、等伯から、縄文土器や根来塗の器まで日本美術を幅広く応援。教養主義や美術史にとらわれない、大胆な美術鑑賞法を提示する。
#066
橋本治
新潮社
美術史の常識に挑戦する新解釈の日本美術史。『源氏物語』や『枕草子』を現代語訳してきた作家橋本治による本書は、従来の日本美術史に違う視点を持ち込もうとする硬派な意志と、作品をめぐる著者のロマンチックな妄想(あるいは詮索)から成り立っている。
#056
坂本 龍一, 中沢 新一
木楽舎
諏訪、若狭、敦賀、奈良、紀伊田辺、鹿児島、そして青森へ。音楽家の坂本龍一と人類学者の中沢新一が古層に眠る精神の源泉に触れる、聖地への旅。装丁:菊地敦己
#054
安野 光雅, 大岡 信, 谷川 俊太郎
福音館書店
小学校1年の国語教科書を、自由に、独創的に構想した作業の中から生みだされた、ことばの本。
#032
伊藤 ていじ
鹿島出版会
白川郷から京の町屋まで、全国の民家をデザインサーベイした名著の復刊。「われわれはまず、民家を凝視する前に、この本自体を凝視するところから始めねばなるまい」(内藤廣)。
more info: INAX REPORT
Book descriptions are basically quoted from the official book database or publishers' websites, unless otherwise noted.