随筆
#235
寺田 寅彦
岩波書店
日常の中の不思議を研究した物理学者で随筆の名手としても知られる寺田寅彦の短文集。「なるべく心の忙しくない、ゆっくりした余裕のある時に、一節ずつ間をおいて読んでもらいたい」という願いのこめられた、味わい深い一七六篇。
#232
中谷 宇吉郎
岩波書店
天然雪の研究から出発し、やがて世界に先駆けて人工雪の実験に成功して雪の結晶の生成条件を明らかにするまでを懇切に語る。
#228
深田 久弥
ヤマケイ文庫
読み歩き書いた山の文学者・深田久弥の厖大な著作の中から『日本百名山』に関わる紀行文、エッセーを選び、深田久弥が山に印した足跡と思索の道のりをたどる。文学を模索した若き日から、豊穣な紀行文学に至った晩年までの軌跡。
#227
串田 孫一
ヤマケイ文庫
山にまつわる思想、思索などを平易な文章で綴った随想集。1957年に実業之日本社から出版され、3冊があいついで出版された。本著作は全91編を収録し、1冊に合本されたもの。超ロングセラーとなった串田文学の代表作。
#222
村上 春樹, 安西 水丸
平凡社
好奇心で選んだ七つの工場を、村上春樹&安西水丸コンビが訪ねる、楽しい〈工場〉訪問記。
#199
横尾 忠則
佼成出版社
なんでもない出来事の中から拾い上げた日々の随想。最近三年間の日記。そして空飛ぶ円盤物語。三冊分を一冊に、新しい発想でつくられた横尾忠則の本。
#198
横尾 忠則
講談社
横尾忠則の「イラストレーター休業日記」。創造の禁欲状態にあえて身を置き、苦悩の闇をひとり模索しつづけた2年間。横尾の内面に兆した変化はどのようなものであったか。奔放なイマジネーションと悪夢に満ちた終末感とが創りだす、ユニークなエッセイ世界。
#197
横尾 忠則
新書館
「もし私の身長が一米七〇糎あったなら、私はどんなに大きな自信をもつことができたか知れない。この本に収められた過去数年のエッセイは、全て私の願望を表したものばかりである」1969年刊。著者初のエッセイ集。
#196
和田 誠
文藝春秋
若い才能がジャンルを超えて出会い、刺激しあった時代。銀座が街の王様だった頃。文章と懐かしいデザインでつづる60年代グラフィティ。第9回(1993年)講談社エッセイ賞受賞。
#177
志村 ふくみ
筑摩書房
ちよう、はたり。記憶の底から、機の音が聞こえる。染織家にして人間国宝であり、随筆家としても定評のある著者の第4エッセイ集。1990年以降に書かれた文章に書き下ろしを加える。口絵には染織作品をカラーで掲載。
#175
坂口 三千代
ちくま文庫
銀座で「クラクラ」という文壇バーを営んでいた三千代が、安吾との出逢いからその突然の死までの生活を描く。「何の衒いも感じさせない普段着の文章が心地よく、稀代の変わり者との想像絶する日々のことなのに、なんというのか、妙に心が温まる」(松岡正剛)
more info: 千夜千冊
#174
深沢 七郎
中公文庫
小説「楢山節考」で中央公論新人賞を受賞し、異色の文壇デビューをした著者が、畏敬する作家たち正宗白鳥、武田泰淳、井伏鱒二などとの奇妙でおかしい交流を綴る。生涯を自然流に生きた異才の抱腹絶倒の文壇登場日記など。
#173
武田 泰淳
中公文庫
近隣への散歩、ソビエトへの散歩が、いつしか時空を超えて読む者の胸中深く入りこみ、生の本質と意味を明かす。妻百合子の口述筆記により執筆された。野間文芸賞受賞作。
#172
武田 百合子
中公文庫
武田泰淳と過ごした富士山麓での十三年間の一瞬一瞬の生を、澄明な眼と無垢の心で克明にとらえ天衣無縫の文体でうつし出す、思索的文学者と天性の芸術者とのめずらしい組み合せのユニークな日記。昭和52年度田村俊子賞受賞作。
#171
武田 百合子
中公文庫
生涯最後の旅を予感している武田泰淳とその友人竹内好のロシアへの旅に同行して、星に驚く犬のような心と天真爛漫な目とをもって、旅中の出来事・風物を克明に伸びやかにつづり、二人の文学者の旅の肖像を、屈託ない穏やかさでとらえる紀行。読売文学賞受賞作。
#154
いとう せいこう
毎日新聞社
8年間1度も咲かなかった月下美人が大切な一夜に突然咲いたり、戯れにやったあんずとボケの自己流人工授粉が成功したりと、都会の小さなベランダに数々の奇跡が起こる。99年講談社エッセイ賞を受賞した『ボタニカル・ライフ』の第2弾。
#143
平松 洋子
毎日新聞社
「毎日新聞」日曜版の人気連載。グールドのピアノ椅子、靴下を食べる靴、レース編みのすきま、セーターを穿くおじさん。日常にはこんなにもたくさんの奇跡がある。第28回講談社エッセイ賞受賞第一作。
#140
ポール・オースター, 訳:柴田 元幸
新潮文庫
自らが体験した驚くべき偶然の連続を淡々と綴る「赤いノートブック」、無名時代の貧乏生活を軽やかに描く「その日暮らし」、9.11直後のNYに捧げた「覚え書き」など、柔らかななかにも力強い声が聞こえるエッセイ集。日本独自編集。
#116
青山 二郎
中央公論新社
小林秀雄、中原中也らとの交友は世に「青山学院」と言われ、強烈な個性で影響を与えつづけた異才、青山二郎。自らの「眼」に美の発見を賭した独自の美学の精粋。
#096
日高 敏隆
新潮文庫
鳥も植物も虫も、生き物たちは皆それぞれの方法で三寒四温を積算し、季節を計っている。植物は毎年ほぼ同じ高さに花をつけ、虫は時期を合わせて目を覚まし、それを見つける。日本を代表する動物行動学者による、発見に充ちたエッセイ集。日本エッセイスト・クラブ賞受賞。
#018
高橋 悠治
平凡社
七月に始まり六月で終わる食卓を巡る散文集。金子國義・絵。
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